「魍魎の匣 (1)」 志水アキ/京極夏彦

魍魎の匣 1 (1) (怪COMIC)

魍魎の匣 (1)
志水アキ 京極夏彦 / 角川書店(2007/12)


評価:★★★★☆


匣の娘もにつこり笑つて「ほう、」と云つた。ああ、生きてゐる。


ある夜、一人の少女が電車に轢かれた。
頭部以外の身体全てが重症。少女は懇意の外科医の下に運び込まれ治療を受けるが
多くの人間がいるその集中治療室から、忽然と姿を消してしまった!!
巨大な“箱”の様な医学研究所から消えてしまった少女。
同じ頃都内で発生したバラバラ殺人事件の被害者の足が入っていた鉄製の“箱”。
“筥”を崇拝する宗教。夢物語のような“匣”の娘。
箱(はこ)、筥(はこ)、匣(はこ)・・・。
全ての謎は匣の中に・・・。


本作は1995年に発表された京極夏彦著『魍魎の匣』の完全画像化作品です。
原作『魍魎の匣』は・・・なんてわざわざ説明する必要も無いほど有名な作品ですよね。
斯く言う私も既読済み。そして大大大好きな作品の1つであります。

さて、そんな大好き作品が漫画化されるとあっては
チェックしないわけにはいきませんですよっ!!と鼻息も荒く手にした本作。
いくら、いつも素晴らしい作画をされる志水先生とて
手を抜いたユルイ作画なんてしようもんなら容赦しませんぞ!!てなもんで
こう自分の中で、かなりハードルを上げて挑んでみたわけなのですが
そんな心配は・・・杞憂で御座いましたよ・・・

なんだこの予想の遥か上をいく素晴らしい作画はぁぁーー!!!!

いや本当、凄い。凄いの一言です。
特に感動したのは木場の旦那。

魍魎の匣

顔がちゃんと真っ四角だよ!!身体もゴッツゴツだよ!!

ああ頼子羨ましい!!私もその岩のような腰周りに抱き付きたー・・・ゲフゲフン。
冗談はさて置き、こういう木場さんを待っていたのですよ私はっ!!

いやもう、本当にね
例えば、京極シリーズ・・・おっと正しくは“百鬼夜行シリーズ”か
を題材にした同人作品であったならば
木場の旦那が超スレンダーな美形青年になっていようとも
関口君が超ブリブリ可愛い子ちゃんになっていても
全然大丈夫なんですよ。つかそれはそれで嫌いじゃないですよ。ハァハァですよ。
しかーし!!れっきとした商業ベースに乗せられた漫画化やアニメ化で
それをやっちゃーイカンと私は声を大にして言いたいわけですよっ!!

え?暗に現在放送中のアニメの事を言ってるのかって?
いや、そんな事は無いですじょ?(そっと目をそらす)

いやだってさ、この作品で美形なのって榎木津だけのはずじゃない。
なのに登場人物全員がスラっと美形なんてーのはやっぱりちょっと違うと思うし。
つか、ちょっと脱線しますけど、京極作品に限らず何かを画像化、映像化した時に
ムサいキャラはムサく!!ゴツいキャラはゴツく!!
そしてオッサンキャラはちゃんとオッサンに描いて欲しいんですよ!!
何でもかんでも美形にするなー!!
ムサくてゴツいオッサン好きの私の、心からのお願いです(問題はそこか)。


おっと、たいぶ話がそれてしまいました。本題に戻りましょう。

本作の作画の話ですが、原作に忠実なのは木場氏だけではありません。
原作中で外見に関して描写のある人物は
本当にビックリするほどに記述に忠実に描かれています。
コケシみたいと言われてる青木君はコケシっぽく。
顔が長いと言われている増岡はもちろん馬面に。
細眉、切れ長の吊り目とされている久保なんて、もーまんま(笑)。

あと、見た目だけではなくて、頼子のこの年頃特有の痛々しさとか狂気とか
そういったところの表現がまたとても良くて素晴らしかったり。

魍魎の匣

ああかつて、ここまで原作品を忠実に再現した漫画があっただろうか・・・。
(挿絵を担当した方が漫画化したとかの場合は別ですよ)
志木先生は京極ファンであるらしいですが
でもファンだからでは片付けられない、物凄く研究したんだろうなという感じが
画面からヒシヒシと感じられました。完敗。

えーそんなわけですので、作画に関しては、文句は一切ありません。
原作を読んでいれば読んでいるほど、お気に召すのではないでしょうか。
イメージが崩れるのが嫌だなーと手を出していない原作ファンの方は
騙されたと思って、手に取って見てみて下さい。
きっと気に入りますよ!!もちろん男性の方にもオススメですー!!


あーしかし、そんな感じで人物の造詣にキャッキャする楽しみはあっても
トリックやオチを知っている分、それらを想像してドキドキする事が
出来ないのが残念でならないですなー・・・。
その点『魍魎』初体験と言う方はとても羨ましいです。いや本当。

原作を未読で、本作のストーリー部分についての感想を求めて
こちらに辿り着いた方がもしいたとして、私がその方に言える事と言えば
とりあえず面白いから読め!!って感じでしょうか。

1巻はグチャグチャと色々な事が起こって謎だらけです。
きっと重苦しい空気ばかりで、何がなにやらサッパリな事でしょう。
しかし、そんなグチャグチャな事全てがスッと綺麗に纏まって
「不思議なことなど何もなくなる」その様を、是非見て、驚愕して頂きたいと思う。
この先の展開を楽しみにして下さい。

あと、2巻から主要人物が続々と登場しますから!!
真のイケメン(変人ですけど)も登場しますから!!
1巻はゴツいオッサンだけで我慢してね!!次巻お楽しみにっ!!
(どんな薦め方だ)


京極堂・・・もとい中善寺秋彦氏が
表紙とカラーページにまるでメインかの如く描かれまくっているくせに
最後の最後、1ページのみしか登場しないと言う
京極堂好きさんには地団駄モノの終わり方だった本作でしたので
色んな意味で“始まる”2巻。
そちらの感想は、改めてまた後日!!
榎木津萌え萌えハァハァ談義で、皆様またお会いしましょー!!ふふっふ。


余談。
そう言えば、なぜシリーズ1作目の『姑獲鳥の夏』ではなく
2作目の『魍魎』を漫画化したんですかね?
『姑獲鳥』も好きな作品なので、漫画化されたら嬉しいなー。
もちろんその時も志水先生でね!!


★志水アキ公式@ヒゲズシ : http://www.hige-system.com/


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posted by 麻吉 at 2008/11/05 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | COMIC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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