「飼育する男」 大石 圭

飼育する男 (角川ホラー文庫)

飼育する男
大石 圭 / 角川書店 (2006/07)


評価:★☆☆☆☆


な、なんだこの読後感・・・
凄いビックリするくらい何も感情が浮かんでこないぞ。
それは、あまりにも感動して放心・・・なんて良い意味でのものではなくて
残念ながら悪い意味でのもの。
だって正直、ラストを読み終わって思った事がこれだもの

「ふーん・・・で?」

大石作品ファンの方には大変申し訳ないと思うのだが
でもさー。だってさー。


本作の内容は、題名の通り。
とある男がコレクションと称して美しい複数の女性を拉致監禁して
自分の言いなりになるように調教を施す。という非常にアレな内容。
大きな声では言えませんけど、こうグッとくる題材ではないですか!!

しかし、内容はまさに上記の通りで
つまり自分が期待していた通りのものであったはずなのに
物凄い拍子抜け感が・・・。

あのね、正直言って犯罪の実録書読んだ方が
よっぽどスリリングでいてグッとくる展開がある気がしましたよ。
って、それはちょっと問題発言ですけど。
でもそれほどこの作品にはヤマもオチもなく
ドキドキも、驚きも、感動も、笑いも、そうね気が滅入る事すらなかった。

以前何かの感想で「犯罪者の心理が知りたくてホラー小説読んでる」
みたいな事書きましたけど、この作品読んで気付きました。
淡々と、犯罪者の行動を追うだけじゃ、まったく面白くないって。
小説・・・なんだからさ・・・
何かしらのエンターテイメント要素はやっぱり必要だよ!!


あと本作で一番重要なのは“女性を調教する”という行為だと思うのですけど
その内容が凄く簡素で稚拙だった事も、肩透かしの原因の1つかと。

だって反抗的な態度取ったら無理やり押さえつけて陵辱するとか。
言う事聞かなかったらご飯与えないでおいて
空腹に耐えられなくなった女性が泣く泣く言う事聞くように仕向けるとか。
それでも駄目なら最終手段で焼印ジュー。
基本その3パターン。

そんな内容なので
女たちは隙あらば逃げようとしてるし、反撃しようとしてるしで
全然調教出来てないじゃん!!っていう・・・。
そもそも自分の飼い犬も訓練所にお願いして調教してもらってるし
アンタ調教の素質無いんだよ!!

完全なる飼育』見て出直してこーい!!


いやでも本当『完全なる飼育』みたいに
閉じ込めておかなくても、女の子自らの意思で自分を拉致した男から逃げず
反抗するどころか慕うまで至ってこそ調教であり飼育だよね。
『完全なる飼育』は実際にあった事件が題材なあたりが更に凄いところで。
まさに事実は小説より奇なり。


あと、読み終わってからふと思ったのだけれど
この無感動な淡々さは、物語の展開もそうですけど
この女性達を拉致監禁している、主人公であるところの男が
物凄く無感動な人間だからというのもあるかもしれないです。

読者というものは、やはり主人公の気持ちに同調するものだと思うし。
主人公が驚いたり感動したり涙したりしなかったら
読んでるこっちも淡々としちゃうよね。


あとあと、捕われている女性達や
もっとキーアイテムになってもおかしくない
娘や自分の母親も全然活用されていなかったりして!!
彼女らをもっとどうにかしたら、もっとなにか感動なり緊迫なりの
展開が出来たのじゃないかと思えてならないのですよ!!
ああ、勿体無い!!勿体無いことだよ!!


と、そんなわけで、私には合わない作品でした。残念。


そういえば同じく大石氏の作品『死人を恋う』も微妙な感想だったな。
相性良くないのかしら。
この方の作品のテーマは、どれも凄く好みなんだけどな・・・。
ハッ!!そう言えば『湘南人肉医 』買ってまだ読んでなかった!!
とりあえず結論出すのは、それを読んでからにしよう。うん。


☆関連記事☆
・「死人を恋う」 大石圭
・「湘南人肉医」 大石 圭

作品詳細


飼育する男 (角川ホラー文庫)
角川書店
発売日:2006-07
おすすめ度:2.0
おすすめ度3 心底にある願望
おすすめ度3 性的嗜好の多様さ・・・不気味さ
おすすめ度1 不快で退屈
おすすめ度1 中途半端。
おすすめ度2 微妙・・・


価格:¥620
文庫判 317ページ

2006年7月10日初版発行

※オリジナル書き下ろし作品
posted by 麻吉 at 2009/08/08 13:49 | Comment(2) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。
最近読み終えたばかりなので、検索して来ました。

確かに主人公はアンドロイド、と言われるように、感情の高揚はあまりなく、機械のように淡々としている人物ですよね。
淡々と流れる物語もしつけの仕方も、そんな主人公が行っているからなのでしょう。

終結も決定的な終わり方をせず区切るようにしかなっていないので、物足りなさを感じてしまうかもしれませんが私は思うんです。

それも著者が計算した策略の一つだったのではないか…と。
Posted by 儿 at 2010年08月01日 17:40
はじめまして。
自分も最近大石氏の本をはじめて読んで同じような感想を持ちました。
こちらの著作とは別の作品でしたがやはり女奴隷云々と言う話だったのですが
全くエロさも陰惨さもなくてがっかりしました。
はやりそれも主人公がとても無機質で、奴隷を扱っている人間にしては誰も彼もいい人過ぎる印象でした。
この方はそういうテーマでたくさん書かれていますけど、向いてないんじゃないかな、、と思います。
心根が良い人そう。。
Posted by 75 at 2010年12月17日 10:34
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