「木島日記」 大塚英志

木島日記

木島日記
大塚 英志 / 角川書店 (2000/07、文庫2003/03)


評価:★★★★★(満点!!)


本作は基本的には漫画版『木島日記』を文章化したもので
所々違う点はあるにしても、大筋は漫画版と変わりはありません。

ゆえに本作により漫画版では解明されなかった謎が明らかとなる。
というようなことは無いのですが
しかし、絵だけでは伝えきれない、表現しきれない部分が
文章となり克明に描かれ
より物語を深く理解出来た気がしました。

そんなことからも、漫画版既読な方も一見の価値はあると思います。


さて本作は漫画版1巻収録の  
死人返りと木島がこの奇妙な仮面を被る切っ掛けとなった物語「死者の書」
特殊な人間を使った人体コンピュータの物語「妣が国・常世へ」
草薙の剣とロンギヌスの槍、そして隠された天皇の物語「古代研究」
人魚と不老長寿・八百比丘尼の物語「水の女」
そして漫画版2巻収録
ジプシーの秘術とヒトラーの出生の秘密の物語「若水の話」
この5つの物語が収録されています。

漫画版の感想でも書きましたが
この作品には昭和初期に実在した有名な人物や事件、物が登場し
それらについて書かれている作品ではあるのですが
しかしそれらの知識は無くともまったく問題ありません。
むしろ本書によってこの時代に興味をもち
探求する切っ掛けとなってしまう可能性すらあります。
いわば、昭和史の入門書的な(完全に邪道ではありますが・・・)そんな一冊。
さあ、貴方も闇に葬られた裏の歴史を共に体感致しましょう・・・。


ちなみに本作。
漫画版の内容を踏まえた上でのサイドストーリー本ではありませんので
漫画版を未読の方でも十分に楽しんで頂けるかとは思うのです。が。
これを書いている自分自身が漫画版の知識を持った状態で読んでいるため
本当に知識が無く、まっさらな状態で読んで
はたして物語を完全に理解出来るか、ちょっと断言し切れない部分はあります。
大丈夫だとは思うのです・・・けどね・・・。

良く分からなかったら漫画版を読んでね・・・って事で。
って無責任!!
いやでも本当。上に挙げた単語に少しでも興味をもたれた方には
心よりお薦め致します。



ええと、ここからは完全に私個人の趣味の話となりますが
小説版は不思議少女・美蘭の可愛らしさがより一層際立っていて
美蘭好きにはもうたまらんかったです。
可愛いだけでなく、少々エロティックでもあるんですよー・・・。ふふ。
それに加え、漫画版であまり描かれなかった
一ツ橋くんと美蘭の仲睦まじい、まるでオママゴト夫婦のようなやりとりも盛り沢山。
この若夫婦、やっぱり可愛いよ〜!!萌え!!

逆に少々残念だったのは清水くんの登場シーンが少なくなっていた事。
それは清水くんが担当していた役を一ツ橋が変わりに行ってしまっていたからで
その分夫婦シーンが多くなったのでドッコイなのですが。
あ、でも代わりに『木島日記 乞丐相』の方では漫画版で登場しない話にも
清水くんが出ていて・・・。と
おっとっと。そちらの本についての感想は後日改めて。


そうそう、最後に余談ですが。
月の口調が漫画版と違いなんだか非常に丁寧で
ちょっと淋しくなりましたよ。
「マルティシアは月の上にありますの?」って・・・アナタダレ?
無邪気な月ちゃんが可愛くて良かったのだけどなー・・・。


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posted by 麻吉 at 2006/06/19 21:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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