「木島日記 乞丐相」 大塚英志

木島日記 乞丐相 (文芸シリーズ)

木島日記 乞丐相
大塚 英志 / 角川書店 (2001/11、文庫2004/03)


評価:★★★★★(満点!!)


本作は基本的には漫画版『木島日記』を文章化したもので
所々違う点はあるにしても、大筋は漫画版と変わりはありません。

とは前作の『木島日記』感想の冒頭に書いた文句でありますが
続編でありますこの『木島日記 乞丐相』も
前作同様に漫画版と同じテーマを扱っております。しかし!!
その内容にはかなりの改良点が見られ
同じ・・・とは少々言い辛い内容となっています。


今回は漫画版2巻の
津山三十人殺しと勇者の条件と三大タブーの物語「砂けぶり」  
古来からの日本の秘術と戦艦大和の物語「乞丐相」
そして漫画版3巻収録
迷い子のしるべと御伽噺の主人公についての考察「身毒丸」
の3つの物語が収録。

で、まずどの辺りが漫画版と違うと申しますと
各話の題名からして違う。

本の題名に「乞丐相」と付いている事からもお分かり頂けるかと思いますが
本書の半分以上がこの「乞丐相」の物語となっています。
しかし戦艦大和の物語について書かれているかというと、そうではない。
戦艦大和の話には「翁の發生」という題名が付けられ。
迷い子のしるべの物語に付けられた題名が「乞丐相」なのです。


漫画版の感想に書きましたが
この迷い子の物語、正直あまり好きではありませんでした。
もともと不可思議な現象をあたかも有り得るように描く事が
この作品の魅力であるところに
この内容は少々有り得無すぎる。と思ったから。

しかし小説版でその当時の世相、人々の想いが詳しく書かれ
また漫画版と違った内容、結末により
好きな物語の1つに昇格してしまいました。
そうか、そういう事か。とスッキリしてなんだか幸せな読後感。

これは是非漫画版既読の方も読んで頂きたい。必見だと思います。


あ、あと!!もうひとつ非常にオススメな事が!!
それは巻末についていた『木島日記 キャラクターファイル』!!
人物の説明に森美夏さんの美麗イラスト付きで
その絵がまた、各キャラ漫画版と少々違った描かれ方をしているのですが
それがイイんだ!!違った魅力!!
というか清水くん一人で格好良過ぎるよ・・・ずるい!!

ずるいと言えば。土玉君も安江さんまで紹介されているというのに
一ツ橋の紹介が無いんですよ・・・どういう事ですか・・・。
それはあれかな?
本作にまーったく、ぜーんぜん、これぽーっちも登場しなかったからかな?
ってそうなんです・・・一ツ橋全然登場しないんです・・・(涙)。
その代わり、土玉くんと安江大佐が大活躍。
そのせいか物語がとっても明るく進行していて、それはそれで良くて。
なんだかんだ言ってこの二人も好きなのだ。私。ふふ。

そういえば紹介に根津くんの姿も無かったな。
本文にちゃんと登場してたのに。見たかったな。
あとは瀬条教授とかも。
その辺は次回作に載るのか・・・いや次回作など期待しては・・・。


最後にちょっと真面目なお話。
キャラクターファイルの解説文に
木島が仮面をつけている理由が、それはさも当たり前のように
皆も分かってるよね?とでも言いたげにサラリと書いてあって
私は本当に単純で、普通にその醜い姿を隠しているのだと思っていて
だからその内容に「ドキリ」としてしまいました。
そうか、そうだったんだー・・・。


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posted by 麻吉 at 2006/06/23 23:58 | Comment(0) | TrackBack(1) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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