「竹光侍 (1)」 松本大洋/永福一成

竹光侍 1 (1) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

竹光侍 (1)
松本 大洋 永福 一成 / 小学館 (2006/12)


評価:★★★★★(満点!!)+★(不思議な心地良さ)


「あいつは人ではねえよ、もののけにとりつかれとる」
大工の子「勘吉」はその男を初めて目にした時そう思った。

かたぎ長屋の一室に越してきた浪人「瀬能宗一郎」は風変わりな人物で。
売り物の蛸を一刻も眺め、四つばいで猫に話しかけ、蝶をどこまでも追いかけた。
まるで子供のような天真爛漫さ。しかし勘吉だけは気付いていた。
彼の無邪気などではない一面と、それ以上に魅力的な一面を・・・。


うーむ、こんなあらすじでは『竹光侍』の魅力の半分も伝えられないな。
面白いのです。物凄く面白い。
しかしそれは「物語」がとか「登場人物」がとかそう言う単純な事ではなくて
いやもちろんそれらも文句無く面白くて魅力的なのですが

そうだな。例えば、薄暗くなった道を歩いていた勘吉が
ふと顔を上げた時目が合った女性の、お歯黒の口元の薄ら怖さとか。
「何処へも行けぬ」と呟いて画面を横切る痩せこけた犬の寂しさとか。
そんな物語の筋とは関係の無い、画面の隅の何気無い出来事だったり。
この擦れた独特な線や、余白や、空気や、言葉や、仕草。そういったもの全部。
そう、ぜーんぶがひとつになって「凄い」作品になってるの。

だってね、物語などは正直「地味」なんですよ。
目を見張る大活劇があるわけでも、感動的な展開があるわけでも無い。
ほのぼのして微笑ましくて。なんともぽやーっとして。
「主人公の隠された過去」という気になる要素もあるのだけれど
基本は平和な日常のヒトコマで。でもそこが良くて。
そんな「平凡」なものにグイグイと引き込まれて目が離せなくなるの。
本当に不思議。


あと・・・あとあと。
あー先に謝っておきます。ストイックな本作ファンの皆様ゴメンナサイ!!
宗一郎と勘吉の二人が・・・異常に萌えるんですよぉぉぉぉぉー!!!!

いや正しくは萌えるのは「勘吉」か。
それは私の中のショタ魂が発動したとかそういうのではなくてですね
勘吉の宗一郎に対する「不信感」が「好き」に変わるその過程とか
好きになってからのその夢中っぷりとか。
二人が仲良くなる切っ掛けとなった「蝶」のエピソードなどは本当に格別で。
勘さんの蝶の真似の可愛いさも、手を繋いで帰る姿も。
あーもうタマランのですよ!!好き好き、大好き!!


と、まーそんなお楽しみ要素もありますよ?などと言いつつ
本当この面白さは実際に触れてみなければ分からないと思います。

まだ読んでいない松本大洋ファンはもちろん
松本作品に馴染みが無いけれど、時代劇が大好きと言う方
そんな方にも是非読んでみて頂きたい!!
粋で陽気で少々不思議なこの世界。貴方も是非覗いて見て下さいな。

本当に本当にオススメです!!!!


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posted by 麻吉 at 2007/07/14 23:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | COMIC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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