「屍蝋の街」 我孫子武丸

屍蝋の街

屍蝋の街
我孫子 武丸 / 双葉社 (1999/08、文庫2002/10)


評価:★★★★☆


我孫子先生!!ノッケから腐女子大歓喜な展開を持ってくるだなんて
そんなサービスは・・・有難う御座います!!ご馳走様でしたーっ!!


近未来ハードボイルドアクション作品としての面白さだけに留まらず
男性作家様が書いた一般向け作品でありながら、なぜかBL色濃厚。
尚且つそれが「オッサン(40歳)」と「少年(17歳)」で、片方ノンケの片思い。
と言う色んな意味で私のツボを刺激しまくりまくった
腐蝕の街』の続編作品であります!!!!

と、興奮にまかせてこのまま感想を書いてしまいたいところですが
ここはひとまずクールダウン。1つだけ警告しておきたい事があります。

本作『屍蝋』の感想を書くには、どうしても前作『腐蝕』のラストに関わる
重要な要素について触れなければなりません。
ですから『腐蝕』未読の方は、これ以上本文章を読み進めないで下さい。
だって。本当に。物凄く勿体無いから!!

まずは前作感想の“こちら”へ足を運んで頂き
そちらに先に興味を持って頂けたら幸いです。宜しくお願い致します!!


さーさて本題。

“ドク”に警戒しながらも、平穏な日常を取り戻しつつあった溝口とシンバ。
しかしそんな彼らに、暴徒と化したネットジャンキーたちが突然襲い掛かってきた!!
彼らが狙うは、賞金の掛けられた溝口とシンバの首。
そして溝口達の逃亡に手を貸した優しい人々の命!!
最悪なルールのこのゲームに、溝口達は翻弄され、追い詰められてゆく・・・。


はーもう、今回もハラハラドキドキしましたよーー!!

前回は姿の見えない亡霊のような敵との戦いで
その敵の謎に迫る頭脳戦的な内容でありましたが
今回の敵は、姿はあっても全体像が把握出来ないほど数が膨大。
それゆえ、誰が敵で誰が敵で無いかも分からず
さっき普通に道ですれ違った人間が、もしかしたら敵だったかもしれないという恐怖。
人目につかないよう行動しなくては
即座にジャンキーどもに情報は漏れ、餌食になってしまうけれど
でも、ひとつの場所でジッとしているわけにもいかない。
目指す黒幕の居場所が分かっていても、そこに辿り着けない焦繰感!!

更に更に、そんな形ある敵だけでなくて
要所要所で内なる敵(ドク)が溝口の体を乗っ取ろうと仕掛けてくるし。
溝口はこんな大変な時に目を怪我して一人で歩く事も出来なくなっちゃうし。
あーもう本当、どーなっちゃうんだよー!!って。
前作が「のんびり」だったと感じてしまうほどの疾走感でした。
うーん凄かった!!


そして・・・お待ちかねの萌え方面の内容ですが・・・。
これが・・・前作にも増して、もどかしい事になってましてー!!!!

前作ではシンバの切ない想いにキュンとさせられっ放しだったわけですけども
今回はなんと、溝口も苦悩するんですよー!!それがまたっ!!ジタバタ
もちろんシンバはシンバで、溝口に対する気持ちもそうだけども
今はもうネコ(男娼)は辞めたとは言え、やっていた過去は消せないわけで
その事に酷く苦しんだり・・・。

ああもう本当にさ!!シンバは生意気だけどこんなに一生懸命で
苦しいのに強がっちゃって、お姉さん読んでて切なくて仕方が無かったよ!!
だから、溝口は早くシンバを幸せにしてやれってんですよ!!
んもーお前ら早いとこくっついちまえよっ!!

いや・・・でもこう、このもどかしさが良いのか。
じゃあくっつかなくて良いか(ヒドイ!!)。

しかし、現実は・・・
その辺の事、あやふやなまま終わっちゃうんですけどね、これがまた!!
そんな状態で私達をほっぽり出すなんて・・・先生酷過ぎやしませんか!?
こんな終わり方じゃ納得いかんよ!!先生の馬鹿馬鹿ー!!・゜・(ノД`)・゜・

そんなわけで、滅茶苦茶面白かったけれど、★1個減点デス!!


・・・と、まぁここまでが
本作を読み終わった時点での素直な感想でありました。
さて、本作を読んでからどの位の月日が流れたでありましょうか。
最近になって、こんな情報が私の耳に入ってきたのです・・・

小説推理』でシリーズ第3段にあたる作品『禁忌の街』を連載。
更に今年の7月号で連載は無事終了。

マ・ジ・デ・ス・カーーーー!!??
いやだって『屍蝋』が発売されたの1999年ですよ。
『腐蝕』と『屍蝋』の間も4年も掛かってましたけども、でも今回は9年ですよ。
その間何の音沙汰も無しで。流石に“これ”は“これ”で終わりなのかと思うじゃない!!
それが・・・なんと・・・またこの二人に逢えるだなんて・・・。
先生、本当有難う御座いましたーーーーー!!・゜・(ノД`)・゜・バカナンテイッテゴメン


そんなわけで、続編があるとなれば話は別。
評価は満点“★5つ”!!にしようかとも思ったのですが
しかし本作を読んだ直後の素直な感想を尊重しまして
今回の評価は“★4つ”のままにしておきました。

だから、★が少なくても、それは面白くなかったと言うことではなくて
凄く面白いですから、前作『腐蝕』を読んだ人は絶対読んで下さいね!!

あと、昔、例えば本作を雑誌掲載時に、もしくは発売直後に読んだと言う皆様。
当時はまるでSFのように感じていた内容も
ネット環境が当時に比べ身近な物になった今読み返してみると
逃げられない、追い詰められる感は、より一層リアルに感じられる事でしょう。
私は実際怖く感じました。ネットは怖いね!!大好きだけど!!
なので、久々に再読してみては如何でしょうか?

兎にも角にも、色んな方面でお勧め作品。
是非、皆様に読んで頂きたい!!
そして皆で一緒に『禁忌の街』を心待ちにしましょうぞ!!


最後に余談。
早川君、結構好きだったから、あの展開はちょっと残念だったな・・・。
しかし、それより何よりおじいちゃん!!お医者さんのおじいちゃん!!
ああ、もうあああああぁぁ・゜・(ノД`)・゜・


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posted by 麻吉 at 2008/10/28 18:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「東京事件 (1)」 菅野博之/大塚英志

東京事件 1 (1) (角川コミックス・エース 49-4)

東京事件-TOKYO CASE- (1)
菅野博之 大塚英志 / 角川書店 (2007/08/25)


評価:★★★☆☆


実在の人物や実際に起こった事件を取り上げ
あの事件の裏側には、こんな真実が・・・っ!!なーんて物語が展開する
大塚氏お得意の“昭和偽史”モノの新シリーズであります。


と言っても、今までの大塚偽史作品が
第二次世界大戦の前後、昭和20年頃が舞台である事が多かったのに対し
今回の舞台は昭和40年代と新し目。つまり扱われている事件も

「草加次郎事件」
「もく星号事件」
「三億円事件」
「光クラブ事件」
「三島事件」

と、『オクタゴニアン』などに比べ身近で、詳細を知っている事件が多く
より一層ドキドキ感があったりしました。
って、どの事件もまだ生まれてない頃の事件ですけどねっ!!


ちなみに、これもある意味お約束みたいなものですが
“現実”“実在”のものと共に登場する“非現実”な展開は今作でも健在で
今回の場合は「時間」「タイムトラベル」が主なテーマ。
時間や時空を越えたとしか思えない謎の事件を

・意識のみが未来と過去を行き来してしまう男
・数秒だけ時間を止める事が出来る女
・未来の断片を夢で見る少女
・物質が体験した過去の記憶を念写する事が出来る男

と言った“時間に関係する能力”を持つ
「歴史科学研究所」別名「浦島機関」のメンバーが
秘密裏に調査・解決する。そんな物語なのであります。

東京事件
(現代版“仕分け屋”と言ったところですかね)

いやそれにしても、この史実の裏解釈っぷりには
本当に感心すると言うか、感嘆すると言うか、凄い。です。

もちろん、有り得ない内容のオンパレードですから
「この事件の犯人は本当にこの人だったのかも!!」なんて事は思いませんけども
でも誰が『三億円強奪事件』と『光クラブ事件』を関連付けて考えようか!!
うーむ面白いな〜。面白いぞ〜。やっぱり偽史モノは最高っす!!


あと、いつも新シリーズを読む度に思うのですが
大塚氏は本当に味のある漫画家さんを発掘するのが上手い。
今回作画を担当されています菅野博之氏のこの作風、凄く良いです!!
あえて難を言うと、女性キャラクターの区別が少々付き辛い時があったりしますが
でもこの雰囲気。実在の人物のデフォルメの感じもとてもお上手だし。
今後も頑張って頂きたいです!!応援しておりますー!!


さーさて、最後に。
大塚作品のお約束として、書かねばいかんでしょう。
そう“他作品との関連性”。

いやまー昭和と言ってもね、年代に差がありますから
その辺の事にはあまり期待せず、普通に楽しく読み進めていたのです。が・・・

最後の最後。オマケのように載せられていた数ページ。
そこには終戦直後、当時の浦島の姿が描かれていました。
白衣を着、手首に何やら機械を取り付け呆然と立ち尽くしている浦島。
そこに浦島の知り合いの男が声を掛けてきました。
浦島がその男の名を呼びます。

「土玉サン」

キー・・・タァァァーーーーーーーーーーー!!!!!!!
そこでは何も語られていないし、それ以外の情報はありません。
ですから、この土玉と呼ばれる人物と『木島日記』の土玉君が
同じ人物であると言う確証は・・・でも絶対同一人物ダ・ヨ・ネー!!

て事はだ。これもあくまで想像の域を超えませんが
しかし。たぶん。この予想は間違っていないはず。

浦島は瀬条機関の研究員であったと・・・

て事は、『東京事件』も瀬条機関の研究の一部・・・?

あ、「東京事件」とはですね、実在の事件の話とはまた別に
物語の背後に薄っすらと見え隠れしている謎の事件の事で
実は広島・長崎に続き、東京にも原爆が投下されていたとかいないとか

東京事件

今後この事件が明るみになる事が、本作の最終目的で(たぶん)
だから、この事件について詳しく調べる事になったら
きっと瀬条機関の事が・・・木島とか登場したりしちゃったりして・・・
って、流石にそれは無いか。
でも瀬条教授は出ちゃうかもっ!!むふっふっふっふ。
あー続巻が楽しみだわいっ!!


そんなわけで“相変わらず”な感じでもあり
ちょっと突飛過ぎな内容であったりもしましたけども
偽史モノ好きとして、とても楽しく読む事が出来ました。

ちなみに、本巻が発売されて1年以上経ってますが、続き・・・は?大塚先生?
オクタゴニアン』の続きも!!本当待ってますので!!
新シリーズを色々発表するのも良いですが
既存のシリーズの続巻もちゃんと出して下さいよ。お願いしますよー!!


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「昭和偽史三部作」関連本まとめ
posted by 麻吉 at 2008/10/27 03:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | COMIC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[展] 「井上雄彦 最後のマンガ」展

井上雄彦 最後のマンガ展


観てきました。


スラムダンク』に青春の全てを捧げたと言っても過言ではない私が
観に行かないわけが無いでしょと言う事で
混雑が予想される土日を避けて、昨日有給とって行ってまいりましたよ。

井上雄彦 最後のマンガ展

いやしかし、そんな平日ど真ん中であったにもかかわらず
開館時間の10時をちょと過ぎたくらいの美術館前には
もうすでにかなりの人の列が。
平日にこの状態じゃ、土日は想像以上の混雑になんだろうな・・・と
土日しか来られない方々ご愁傷様・・・なぞと思いながら列に並ぶ。

少々の待ち時間の後、入館。観覧。

さて、単刀直入に感想を述べてみるとするならば
本当の本当の本当ーに、見る事が出来て良かったー・・・と
その一言に尽きます。

色んな意味で驚愕して、色んな意味でジンときて、色んな意味で微笑ましく思って
そして色んな意味で感動した。

この色んなと言うのは、本当に色んなで
例えば「井上雄彦ファン」として。例えば「『バガボンド』読者」として。
そして「素人ながら漫画を描いた経験のある者」として。
「おじいちゃん好き」として。「腐女子」として。
って、なんか後半変なの混ざってますが
でもそう言う私の中にある色んな分野のツボが、色んな方向からギンギン刺激されて
だから一言では上手く説明するのは難しいのですが
でもとにかく見て良かったと。見られて良かったと。
そんな風に思える展覧会でした。


内容は、簡単に言ってしまえば「生原稿の展示」です。
通路の壁面にズラリと並べられている生原稿を
自分のペースで順繰りに読み進んでゆく形。
つけペンで線を書き、トーンが貼られている様な通常の原稿から
会場の天井に届くほどの巨大な用紙に墨で描かれたものまで
作品の形状は多種多様。

ちなみにその作品群は、これまで発表されてきた既存の作品の
名シーンをピックアップしたようなものではありません。
展示されている100以上におよぶ作品は
全てこの展覧会の為だけに描かれたもので
そして、それらは1つ1つバラバラな物ではなく、全てで1つの物語。
そう100数ページの「書き下ろし漫画」なのです。

もうこの時点で
「生原稿が見られる事」「未発表の作品を読める事」
という2つの感動があるわけですが
さらに感動する事に
全ての作品はガラスケースに入れられているわけでも
柵があって離れたところからしか見られないわけでも無く
間近に、鼻がくっつきそうなほどに顔を近づけて見ても構わない
そんな展示のされ方をしているのですよ。
(だからって触っちゃダメですからね!!)

実際に私はめちゃくちゃ顔を近付けて
細部までまじまじと舐め回すように見てきました。
細かい景色の描写、人物の睫毛の一本一本。
印刷されたものではなく、本当に手で書いた事が分かる
線一本一本のざらつき。乾いたインクの光沢。
コマからはみ出した部分を修正したホワイトのデコボコ。
トーンかと思ったカケアミが、良く見たら手書きだった事の衝撃。
ちょっとマニアックな話ですけど
でもそういう生原稿だからこそ見る事が出来る部分を
本当に目を近付けて、この目で見る事が出来る凄さ。
もう“感嘆”としか言いようが無かった。
こんな観覧方法を許可してくれて、本当に、本当にありがとう。


展示された作品のストーリーについては詳しくは書きませんが
しかし、これだけは注意を含めて書いておこうと思います。

内容は現在人気連載中の『バガボンド』のストーリーです。

ですから、『スラムダンク』は大好きだけど『バカボンド』は未読。
なんて方は十分に注意が必要です。
いや、未読であっても「生原稿を見られる」という事だけで十分観覧の価値はありますが
でもストーリーが分かる分からないでは感動の差は歴然。
と言うのも、実は私・・・『バガボンド』をまだ既刊分全巻読破出来ていませんで・・・。
ですから正直な話、作中に登場する人物にちょっと分からない人がいて
凄い、その事で凄い悔しい思いをっ・・・(涙)。
だから!!まだ読んでない人は、これを良い機会だと思って一気読みしましょう!!
読んだ人も読み返してから行きましょう!!
経験者は語る!!です。悔しい思いをしてからじゃ遅いんだからねー!!

あと、腐った女子と書いて腐女子の皆様へ通達。
相手を誰とは限定しませんが、たけしゃんと登場人物の誰がしかで
腐った萌え妄想を繰り広げた事のある方は、絶対に見に行くように!!
これはお勧めなどではなく、むしろ命令です。
とりあえず私と一緒に行った腐友人は
「イノタケはどこまで腐女子の心を掴んだら気が済むんじゃぁぁぁ!!」
と心の中で絶叫し、そして心の中で大悶絶しました。
見ないと損しますよ。いいから行っとけ。


そんなわけで、兎にも角にも、とりあえず井上氏が好きな方で
上野に足を運べるところのお住まいの方は、行っておく事をお薦め致します。
行きたくても行けない方が、全国にきっととってもいっぱいいるんですから
見に行ける事を有り難く思わねば!!ですよ。
5/24(土)〜7/6(日)まで上野の森美術館にて開催。
是非!!是非!!是非!!お勧めです!!


あ、そうだ。最後にひとつだけ難点。
スタッフの方々が着ていた“おじいちゃん魂柄Tシャツ”。
なぜ販売してくれなかったんですかーーー!!!!
いやあれはもちろんスタッフさん限定、専用柄だったのは重々承知です。だけど!!
まったく同じ柄でなくても良かったから
おじいちゃん柄を、あのおじいちゃん柄のTシャツが欲しかったですよう・・・ううう。
後でオフィシャルで製品化とか。待ってまーす!!


★上野の森美術館 : http://www.ueno-mori.org/
★公式HP「FLOWER」 : http://www.flow-er.co.jp/

[ amazon詳細 : 『バガボンド (28)』 / 『スラムダンク完全版 全24巻』 ]
posted by 麻吉 at 2008/06/19 23:57 | Comment(2) | TrackBack(0) | OTHER | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「闇金ウシジマくん (1)」 真鍋昌平

闇金ウシジマくん 1 (1) (ビッグコミックス)

闇金ウシジマくん (1)
真鍋 昌平 / 小学館(2004/07/30)


評価:★★★★☆


そこはトゴ(10日で5割)の超高金利で金を貸す
闇金融業者“カウカウファイナンス”。
調子の良い謳い文句のDM(ダイレクトメール)に騙されて
はたまた、他ではもう融資してもらえず渋々に
金に困った人間が、今日もドアを叩く。
そんな闇金融に手を出してしまった人間達と
カウカウファイナンスの若き社長、丑嶋(ウシジマ)くんと
そして従業員達が織り成す、ヒューマン・マネー・ドラマ。


なーんて書き方だと、ちょっとした人情話とかありそうですが
この世界を甘く見てはいけない。
描かれるのは血も涙も無く、とことん追い詰められ搾取される
闇金に関わってしまった人間達の転落風景。

しかしこれが不思議な事に、そんな非道な丑嶋達を見ても
「闇金って怖い!!」と思う事はあっても
「闇金は悪だ!!」と糾弾したい気持ちにはならないんですよ。
むしろ責めたくなるのは、お金を借りに行き、酷い目にあった客の方。
彼らは最終的に、目を背けたくなるような状況になってしまったりするのだけど
でもね、凄く残酷な言い方だけれど、皆“自業自得”なんだよ。
そこに同情の余地などまったく無い。


例えば3話目に登場するOLは、会社での自分の居場所を作る為
仲間に言われるままに高級なランチを食し、ブランド物を身に付け
好き好んでこんなにお金を使ってるんじゃない!!と嘆きながら金を借りる。
闇金ウシジマくん

そういう事ならば同情の余地はまだあるけれど
(いや正直言えば、この時点で十分馬鹿じゃないかと思うのだけど)
彼女は闇金に手を出した代償として
非常に辛い状況に身を置かなければならなくなったにも関わらず
「どうしよう・・・でもいいや頑張ってる自分へのご褒美だ!!」と
ブティックで9万のジャケットを買い、ブランド物のバックを買ってしまう。
もちろんその時、借金の返済は完了していない。

もうね、登場する負債者は、皆こんな感じなんですよ。
返済の為に辛い目にあっても、止められない。治らない。反省しない。
でも、そうだよねーと思う。現実はたぶんこの作品通りなんだよ。
人間ってそんなに簡単には変われない。
その容赦無い表現が、この作品の魅力なのかも。


そんなわけで、登場人物たちと似た境遇の人には
夢も希望も慰めも無い、ダメージの強い作品かも知れませんね。
その点私は「絶対に闇金でお金を借りるような事はしない!!」と
断言出来る自信があるので、娯楽として楽しめ・・・

あーでも、作中に登場したOLの彼氏みたいに
自分自身が闇金からお金を借りなくても、例えば家族が恋人が友人が
利用した事によって巻き込まれてしまう可能性も無いわけではなくて。
そう考えると、やっぱりちょっと怖いな。
ううう、私の友人知人達よ!!誰も闇金には絶対手を出さないでねー!!

あ、そうか。皆にこの漫画読ませて回れば良いのか。
それはちょっと名案かもしれないぞ!!


軽い気持ちでお金を借りてみようと思った事がある人、現在思ってる人を
やっぱやめよう!!と改心させるのによし。
闇金ってこんな風にお金を搾り取るのか!!とか
闇金も結構大変なんだな!!とか、この世界を勉強するもよし。
闇金ウシジマくん
って何の勉強だ!!

まー色々書きましたが
教訓にするとかそういう事はさて置いて
漫画作品として普通に楽しむだけでも十二分に面白いですので
興味を持った方は是非お手にとって見て下さい。
お勧めです!!


最後に余談。
この作品って、後味悪いと言われがちですけど
作中に登場したOLさんもフリーター君も
あの最終的な状況は、アレはアレで本人達は幸せそうだなと思った私は
もしかして楽観的過ぎかしら?
いやだって、同じ思想の仲間が出来たり、仕事らしい仕事を知ったり。良いじゃない。
なので私的には、本作はスッキリした後味だったんですよー

って、だからって、読んで気分悪くなったぞ!!って言われても
責任は取れませんからね!!!!


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posted by 麻吉 at 2008/04/24 20:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | COMIC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「探偵儀式 (5)」 箸井地図/大塚英志/清涼院流水

探偵儀式 VOL.5 (5) (角川コミックス・エース 109-5)

探偵儀式 VOL.5
箸井地図 大塚英志 清涼院流水 / 角川書店 (2008/03/26)


評価:★★☆☆☆


さあ、意味が分からなくなってまいりました!!


うーむむ、元々“なんでもアリ”な内容でしたけども
ここまで非現実的な展開になってしまうと、ちょっと違う気が・・・。
つか正直に言う。今巻はあんまり面白くなかった!!

なんと言いますか、例えば旧約聖書の時代に起源がある団体とか
非常に特殊な能力を持つ僧侶のいる隠れ寺があるとか
そういう設定は良いんですよ。面白いじゃないですか。
でも、なんだよ「探偵メイスン」って「探偵ピラミッド」って「探偵寺」って!!
探偵儀式5

ギャグか!!??

・・・あれ?良いのか。この漫画はギャグ漫画だったか。
え?ギャグ漫画だったっけ?


あーえーと、うーむ。
99個もの密室殺人が発生!!犯人はどうやってこれを成し遂げたのか!?
の答えが、ここに不思議な鍵がありまして
これ1つあれば、世の中のどんな鍵でも開けられるんデスヨーだったり
犯人が分かった?いったいどうやって!?
の答えが、“天のお告げ”だったりするような漫画ですから
真面目な何かを求める方が間違いなんですけど

でもさ、前々巻辺りからどんどんどんどん面白くなってきていて
前巻の磨知登場で、盛り上がりは最高潮!!
催眠による無差別大量殺人まで起きて、いったいどうなっちゃうの!?
ときたのに、今巻のこの展開はあまりにも・・・。

今回起きた良く分からん諸々の事が
全てちゃんと綺麗に説明がついて、スッキリと収まるのかな。
いや、そもそもどういう状況を持って、収まったと言えるのか。
何が最終目的?陰謀企ててる総理大臣の死?それもちょっと違うよね。
うーむ、うーむ。本当良く分かんなくなってきた。


正直、続きの巻買うかどうか悩んでしまっていたりするのですが
総理大臣(磨知)が探偵を壊滅させると息巻いてるのは
自分のもとから去った雨宮君を炙り出すためなんじゃないかしらとか
磨知に見せかけて、実は中身アーヴィングで
磨知はアーヴィングのスペアだったのでした!!なーんてねとか
勝手に想像して楽しんでたりしてて
そんな展開が起こりはしないか見届ける為にも
何だかんだ言って買い続けてしまうであろう私なのでした・・・。

つか純粋に、これをどう収めるのか、興味あったりするんデスケドネ!!


あ、そうだ。酷評ばっかり書いてしまいましたが
探偵儀式5

このシーン・・・グッと来ました・・・。
笹山イイ奴だよう!!天晴良い子だよう!!うっうっうっ。
天晴君と笹山は、本当に幸せになって欲しいと思っております。
そうだな!!彼らの幸せを見届けるためにも、最後まで読まねばだわね!!


[ amazon詳細 : 『探偵儀式 VOL.5』 ]



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「探偵儀式 (4)」 箸井地図/大塚英志/清涼院流水

「多重人格探偵サイコ」関連本まとめ
posted by 麻吉 at 2008/04/09 23:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | COMIC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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